革の製造工程
皮から革へなめしていく工程をご紹介します。
鞄(かばん)の革がどのようにできているのかを知っていれば…
アリャ、何かいいことあるのかな?^^
せっかく調べたのでご紹介します。(汗)・・・・薀蓄(うんちく)は語れるかも(^^;)
準備工程
- 原皮
原皮は国内産の地生(じなま)を除き、通常腐敗を防ぐため、塩漬け、または乾燥された状態の皮
- 水漬け・水洗
皮に付着している汚れや塩分などを取り除きます。
- 裏打ち
皮の裏側(肉面)についた脂肪や肉片を取り除きます。
- 脱毛・石灰漬け
石灰液に漬け込んで毛や表皮をとかすとともに、皮の繊維をほぐします。
- 分割
皮を銀面(革表)と肉面(床皮)に分割して、所定の厚さにします。
- 垢出し
脱毛・石灰漬けの段階で除去しきれなかった毛根などを取り除いて、銀面(革表)をきれいにします。
- 再石灰漬け
再度、石灰液に漬けてかき混ぜ、皮の繊維をほぐします。
- 脱灰・ベーチング
皮の中の石灰を薬品で除くと同時に皮を柔らかくする酵素を加えます。
- ピックル
なめし処理は酸性領域で行うため皮を酸性溶液につけて、なめし剤を吸収しやすい状態にします。
- 鞣し(なめし)
クロム鞣剤、天然タンニン剤、合成タンニン剤、アルミニウム鞣剤、樹脂鞣剤などを皮に浸透させコラーゲン繊維と結合させ、耐熱性(40〜100℃)、耐久性、防腐性などを与えます。
下地製造工程
- 水絞り
革中の余分な水分を絞り出します。
- シェービング
革の肉面を削り、一定の厚さに調節します。
- 再なめし
硬さ、風合いなどの性質を調整するため、いろいろな方法でもう一度なめして、用途に応じた特性を与えます。
- 中和
染料や油がしみこみやすいように、革の中の酸をアルカリにより中和し、染料や加脂剤の浸透が均一になるように調整します。
- 染色・加脂
いろいろな色に染め、同時に革を柔らかくするため精製された生油や合成油脂を用います。
仕上げ工程
- 水絞り・伸ばし
革の余分な水分を絞り取り、革を伸ばします。
- 乾燥
染料や加脂剤を固着させるために自然乾燥あるいは熱風乾燥します。
ガラス張り乾燥、ネット張り乾燥、真空乾燥などがあります。
- 味入れ(味付け、味取り)
ステーキングのとき革を傷つけないために適当な湿気を与えます。
- ステーキング(ヘラ掛け)
革をもみほぐし、柔軟性や弾力性を与えます。
- 張り乾燥
革が縮まないように、ピンと張って平らに乾かします。
張板に釘張りするか、網板上にトグル張りし、平らな状態に乾燥させ味(水分)を除去します。
- 縁断ち
製品に仕上げるのに不必要な革の縁廻り、その他を縁断ちします。
- 【スエードなどにする場】 銀むき
皮にサンドペーパー掛けを行います。
- 塗装
外観の美しさを色と艶で強調するとともに、革の耐久性を得るように塗料などで銀面を塗布します。
- 艶出・アイロン・型押
機械により表面を艶出し、または、アイロンします。必要により型押しまたはモミ作業を行います。
- 計量(坪入れ)
計量器にかけて革面積を計量します。
日本では、10cm×10cmの大きさを1デシと呼びます。
海外向けの場合はスクェアー・フィート(約9.3デシ)を使います。